信越化学工業は、シリコーン樹脂の国内No.1メーカーです。
シリコーンといえば、エアバッグ、化粧品、車のワックスなどに使われる素材として馴染み深いですが、その他にも様々なところで使用されています。
最近では、耐熱性や電気絶縁性などの特徴から、電子部品への応用が進んでいます。
これからますますシリコーン樹脂の市場は拡大していきそうです。
この記事では、シリコーン樹脂メーカーである信越化学工業の企業情報をまとめました。
これから就職活動をする方は参考にして頂ければ幸いです。
信越化学ってどんな会社?
シリコーン樹脂の国内No.1メーカー
記事冒頭でも述べましたが、信越化学工業はシリコーン樹脂の国内No.1メーカーです。
様々な性質をもったシリコーン樹脂をラインナップしており、用途に合わせて材料メーカー・部品メーカーなどへ商品を販売しています。
信越化学の製品はシリコーン樹脂のイメージが大きいですが、塩化ビニル樹脂の世界最大手企業でもあります。
もしかしたら塩化ビニル樹脂の方で認識している人もいるかもしれませんね。
ちなみに塩化ビニルは水を通すための配管の材料としてよく使われています。
さて、話が少し逸れましたが、元に戻します。
基本的に、化学メーカーのビジネスはBtoB(Business to Business)です。
最終顧客に直接商品を販売することはありません。
この信越化学工業も例外ではなく、素材を部品メーカーなどに販売して利益を得ています。
そのため、一般の消費者である私たちには目立ちませんが、「利益」という点に着目すると、信越化学は非常に素晴らしい会社であることが分かってきます。
次の項目では、業績に注目して信越化学を見ていきます。
業績が良い
信越化学工業は、非常に業績が良いです。
ここ5年間で営業利益は右肩上がりです。
営業利益をセグメント別で見ると、半導体シリコン分野が大きく伸びています。
最近は特にこの半導体シリコン分野に力を入れていることが分かりますね。
半導体シリコンというのは、具体的にはシリコンウェハーのことで、パソコンなどに使われる集積回路(ICチップ)の基盤として欠かせない材料です。
信越化学は半導体シリコンの世界No.1のシェアを握っています。
利益率が高い
信越化学は非常に利益率が高いです。
営業利益率(売上高に対する利益の割合)は25%になっています。
純利益率(会社の全ての活動の結果得られた利益率)で見ても20%です。
営業利益率は、化学業界ではトップクラスの数字です。
それだけ付加価値の高い製品を作っているということですね。
研究開発費率
各企業の財務データから、研究開発比率を算出しました。
信越化学は研究開発費率が化学企業の中では低めですね。
研究活動には他の企業ほど力を入れていないようです。
研究開発の部門は肩身が狭いかもしれませんね。
2018年度 | 売上高/(億円) | 研究費(億円) | 研究開発費率 |
三菱ケミカルHD | 39,234 | 1,438 | 3.7 |
住友化学 | 23,186 | 1635 | 7.1 |
信越化学工業 | 15,940 | 564 | 3.5 |
三井化学 | 14,829 | 358 | 2.4 |
旭化成 ※1 (2017年度) | 10,877 | 857 | 7.9 |
東レ ※1 | 8,688 | 664 | 7.6 |
東ソー | 8,615 | 166 | 1.9 |
日東電工 | 8,065 | 320 | 4.0 |
DIC | 8,055 | – | |
エア・ウォーター | 7,423 | – |
*1 旭化成はマテリアル事業、2018年のデータが無かったので2017年のデータを示しています。東レは機能化成品事業のデータです。
DICとエア・ウォーターは研究費のデータが見つからなかったので載せていません。
企業の財務データのリンクは下にまとめました。
過去のデータ等気になる方は見てみてください。
・三菱ケミカルHD
・住友化学
・信越化学工業
・三井化学
・旭化成
・東レ
・東ソー
・日東電工
・DIC
・エア・ウォーター
コメント